埼玉近代美術館 どろせんに参加

 埼玉近代美術館「SMF アートのわっ!実行委員会主催」 高校生・中学生 アートダイバー養成プログラムというワークショップに参加してきました。10代の若者たちを中心に、アートが生み出される過程とそこにある難しさ、楽しさ、喜びを、「ドローイング」の体験を通して感じ取ってもらうことが目的です。ドローイングは具象を観察し正確に描くデッサンとは異なり、表現者の内面世界を素材を通して色や形に置き換えて迅速に描いていく行為で「下書き」とは異なり「ドローイング」自体が作品になっていきます。

 県内の小・中・高生が30人が集まり熱気の中でワークショップははじまりました。

 最初は埼玉大学の小澤教授から「ドローイング」についての講義がありました。講義はかなり専門的な内容でスタッフも知らないような作家のめずらしい「ドローイング」作品が多数紹介されました。約40分の内容でしたが、児童・生徒たちはくいいるようにスライドを見ていました。

 講義のあと、参考に持ってきていただいた「ドローイング集」を個々に鑑賞してから制作に入ります。
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 「どろせん」とは「ドローイング1000枚」の略で、30人で目標1000枚。

 用意された、墨、コンテ、水彩絵の具、アクリル絵の具、クレヨン・・・など選び、どんどん描いて行く生徒たちはひらめいたことをどんどん形にしていっているようで勢いがありました。中にはじっくり考えいてる生徒もいましたが、次第にその生徒の好きな色、形、雰囲気が体の内側からどんどん出てくるように見えてきました。

 昼食の時間になっても手をとめない生徒もいるほど集中して一人20枚前後の作品を描き、廊下の壁に掲示していきます。

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 そして、振り返りの時間。描き出した自分の表現を客観的に振り返り、言葉で表現することで、表現した内容を他者と共有していきます。講師の先生が一人一人の作品についてていねいに言葉をなげかけていました。

 今回、集まってきいたのは芸術系の学科に通っている高校生、美術部の生徒、お絵かき教室に行っている小学生・・・とアートに興味のある生徒だっただけに作品も素晴らしいものでしたが、授業で取り組んでみたらどんなことができるだろうとも考えました。アートバイバー募集のちらしに書かれたドローイングについての紹介文が授業にもいかせそうな文章なので紹介します。(埼玉近代美術館 教育普及課の山水先生から了解を得ています)

 
 あなたの中にはたくさんのあなたが眠っています。 
 それは言葉にならない感覚や思い、いつもは気づくことさえない、そんなあなたに出会ってみませんか?
 自分という海にダイブして、あなた自身に出会う旅、それがアートダイビングです。

 鉛筆、色鉛筆、水彩絵の具・・・・あなたの身近にある道具を使って、感じるままに何枚も何枚も心に浮かぶイメージを描いていく。
目に見えるもの、見えないもの・・・・どんどん描く・・・それがドローイング。

 うまい下手なんて関係ない。

 ふと、自分が描いたイメージを振り返るとき、まだ見ぬ自分にであうことでしょう。
 アートの神髄 これにあり!やってみるべし!
 


 このワークショップは次回の高校美術展でも開催されるそうです。30人で650枚描きました。今日参加した生徒たちがリピーターとなって1000枚に達するのが楽しみです。

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by shigeshige05 | 2009-11-23 22:29